セキュアードプットと差金決済

差金決済ではないオプション取引では権利行使される場合を想定しておかないといけませんよね。
プットを売る場合は権利行使されると原資産を買わなければいけません。
もし日経225オプションが差金決済ではなく、現物の受け渡しが必要だとすると今なら3000万近くのキャッシュを用意しておかなくてはなりません。
これはオプション価格10円のプットを売ったとしてもです。わずか1万円の収益を得るために2千数百万は必要になる場合がある、としたら安易にファーアウトザマネーのプットを大量に売る人はいないかもしれません。
差金決済だから安心かというとそうではなく、潜在的にはそれくらいのリスクはあるわけです。とは言え数千万の損失を被るわけではありませんが。
キャッシュセキュアードプットというのは権利行使された場合に対応できるだけのキャッシュを口座に用意しておいてプットを売ることを言うようですが、この取引は一見するとリスクがないように見えますがどうでしょうか。
プットオプションを売った時点でプレミアムは入ります。そして、仮に権利行使をされた場合であってもキャッシュはあるので問題なく原資産を買うことができます。
プレミアムは丸取りで株を持っている状態で、相場はいずれ戻るでしょう。そしてタイミングを見てその株を売ることもできますし、売らずにコールオプションを売ってまたプレミアムを稼ぐこともできます。
良いとこどりの戦略のように見えますね。
しかし、相場がさらに下落していったら保有している株はさらに含み損を抱えて塩漬け状態になるかもしれません。
資金に余裕があればあまり問題ないかもしれませんが、プットオプションをどんどん売ってどんどん割り当てを受けるとそのうち現金余力がなくなってきます。そうするとプットオプションは売れなくなるのでカバードコールなどで凌いでいくことになるでしょうか。
いずれにしろ、資金が拘束されてしまい動きづらくなってしまいます。
また、プットオプションを売って最初にプレミアムを受け取る為に一見すると利益があがっているように見えます。権利行使をされ株を割り当てられる時点で含み損を抱えていると思いますが、プットのプレミアムの受取とカバードコールでプレミアムが得られるのであまり気にならないようです。
実際相場は一旦下がっても戻る事が多いですが、安易にプットを売り続けているとある日現金余力がなくなってしまい、動きづらくなり、当初はカバードコールで凌ごうと思っていたのに割り当てられた株を損切りして現金余力を確保せざるを得なくなったりと、やはり実際その状況になってみないと想定し辛い状況もありなかなか簡単にはいかない部分もあるようです。

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